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38億年 生物進化の旅 池田晴彦 [本]

38億年 生物進化の旅 池田晴彦

38億年の生物進化を200ページで説明しようとするなかなか挑戦的な本。
かなり教科書的な本になってしまっているけど、ざっと生物の進化の過程を捉えるのには良いのかも。

本書で一番ハッとしたところはDNAについての件。
自分は進化の大前提はDNAの大きな変化だとなんとなく思い込んでいたけど、そんなこともないようなのです。

つまり、DNAそのものが大幅に変わったのではなく、むしろDNAの使い方を変えるということがカンブリア大爆発でも起こっていたのであろう。DNAそのものの変化ではなく、DNAの制御のされ方に変化があったのだとすれば、その制御の機構こそが重要である。 P73


この一文を読み、確かにDNAは生命の設計図ではあるのだろうけど、それは部品の設計図であって全体を現す家の設計図みたいなものではないのだと思い、では何時どんなタイミングで足とか手を発現させるかを決めるプログラムみたいなものがDNAに内包されているのか、それとも別のところにあるのか、そんな疑問が湧いてきた。

その変化において新しい遺伝子が開発されたということではおそらくない。顎のない生物は顎をつくる遺伝子を持っていなくて、顎のある生物は顎をつくる遺伝子を持っていた、というふうな話ではないのだ。顎をつくる遺伝子が徐々に開発されて、それによって徐々に顎が出来たのではなく、無顎類でも口を作る遺伝子のセットが当然あったわけで、簡単に言ってしまえば、顎口類はその口を作る遺伝子のセットが、口先の方ではなく、もう少し奥(後ろ)の部分で働くことによって、顎が出来るシステムが構築されたのだと考えられる。 P96


発現のタイミングによって顎ができたりできなかったり、生物ってやつは精密なようでいて結構大雑把にできているんですね、この大雑把さが進化の原動力なのでしょうか。それにしてもこの「システム」とは一体どこが司っているのかしら。

さらに言えば、その環境下では足が生えたほうが便利だから徐々に適応して足ができていったというよりも、何かのきっかけで足になりそうなものが出来てしまった、というのが先であろう。環境に適して徐々に形が変わっていくのではなく、むしろ、形が先に変わり、その形に合わせた環境を選ぶというのが、動物の基本的なスタイルなのである。 P108


行き当たりばったりですな。
この適当さが進化の本質なのか。

38億年は3,800,000,000年です、エライい長い年月です。
その間に沢山の生物が繁栄し、そして絶滅していった。
今のところ人類が我が物顔で繁栄していますが、それも長い未来への道中の一時にすぎない。この先何かのきっかけで人類が絶滅してしまった場合次はどんな生命が繁栄するのでしょう。



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タグ:池田晴彦
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