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督促OL修行日記 榎本まみ [本]

督促OL 修行日記

クレジットカードを使ったキャッシングやショッピングで発生した債権を払わない人への督促を生業とするあるOLの日常業務とは?の本。
本の帯には以下のように宣伝文句が。

「今度電話してきたら、ぶっ殺す!!」 1時間60本ノルマの入金要請の電話をかければ、お客様からの罵声、怒声、脅しのオンパレード・・・。 人見知りで話しベタで気弱なOLが、年間2000億円の債権を回収するまで。



今のところ自分は借りたお金を返さないで督促の電話を受けたことはないので、どんなふうに督促しているのか、やりたくない仕事の上位に入るような仕事を何故始めたのか、そして何故続けているのか知りたくなってこの本を買ってみた。
ちょっとした怖いもの見たさかな。

帯からも仕事の過酷さがうかがえますが、本文を読むとあちこちに具体的なそれが。
とにかくストレスフルな業務なので著者の体はボロボロになります。

入社して督促の仕事を始めてからは、体重も半年で10キロ減。ストレスが原因でニキビがまるでやけどでもしたかのようにヒドく顔じゅうにできて、ずっと下を向いていました。カウンセリング、セラピー、病院、ありとあらゆるストレス解消グッズ。色んなものに頼りながら何とか仕事を続けてきました。 P12


かなり危険な状態だと思うのですが、このまま著者はこの仕事を続けていきます。
一歩間違えばうつ病になり仕事どころでは無くなりそうな危機感が漂います。
しかも著者は女性ですから顔じゅうひどいにニキビともなれば仕事場以外でも相当ストレスを受けているはず。
著者自身は自分は内気で口下手、仕事も低成績で取り柄もないような感じで書いていますが、実は相当の負けず嫌いなのではと思ってしまいます。

実際こんなことを書いています。

「誰かが倒れたら代わりの誰かが補充される、そんなのって間違ってない?なんとかしてお客さまの言葉から身を守る方法や、相手にちゃんと約束を守らせて入金されるわざを研究できないかな」  それが、私が督促でお客様に立ち向かう方法を研究しよう、と思ったきっかけでした。


心身ともににボロボロになりながらも研究しようと考えるところ、何じゃこれ!もともと打たれ強い素質を持っていたとしか思えない。
それにしても貸したお金を返してと言って罵詈雑言浴びせられなきゃならない仕事って、あまりに理不尽すぎて自分だったらやり甲斐や面白さに気付く前に間違いなく辞めるな。
そもそもそんなものがあるのかどうか怪しいところだ。
しかしだ、何にでも適応者がいるように、この仕事が天職、と思える人がいる。

「え?お客さまのクレームですか?ボクは全然、ストレスなんて感じたことないですね」 「マジですか!?」  中途入社でコールセンターに入ってきたM井さんは、三浦春馬似のイケメン。まだ20代の若手だけど、コールセンターの中にある「クレーム対応専門チーム」に所属して日々クレーム対応に従事している。今ではセンターで一番の処理件数を誇るエース的存在だ。


M井さんが実際どんなふうに業務を行なっているかは本書を読んでもらうとして、恐れない心って強いなぁと感心し一入です。
M井さん、どんな人生を歩んできたのかしら。

最後に督促が何故必要なのか。
著者の先輩からの言葉。

「私たちが相手に嫌われても、怒鳴られても、包丁を突きつけられても、督促しなければならないのは、お客様の信用を守ることができるから。お客様の信用を守るのはもしかしたら命を守ることになるかもしれないしね」


信用なき者は誰にも手を差に述べてもらえなくなり、結果、命を失うことにもなりかねない。
信用を失うのに手っ取り早い方法として借りたお金を返さないという方法があると思うが、それは健康と同じように失って初めて気付く大事なもの。
その大事なものを守る最後の砦が督促なのかもしれない。
なにも督促なんかせずにさっさとブラックリストに名を載せてオシマイにも出来るのだから。

あぁだけどそんなに簡単に諦めちゃ会社潰れちゃう、お金借りたらちゃんと返してあげてください、N本さんが倒れる前に。



ポチッとよろしくお願いいたします

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