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鹿男あをによし 万城目学 [本]

ナマズを沈めるための神宝「サンカク」を鼠から取り戻す使命を鹿から言い渡され「運び番」となったオレが繰り広げる学園青春ファンタジー。
ヒロインの野性的魚顔剣士「堀田」や個性豊かな登場人物が話を引っ張りあっという間にラストへ。

奈良という土地の奥深さに古代史ロマンも味わえるお得な一冊です。

壮大なホラ話なのですが、同じ作風?の森見登美彦と比べると混乱度は万城目学の方が穏やかで僕は読みやすく好きです。


タグ:万城目学
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悼む人 天童荒太 [本]

亡くなった人について「誰かに愛されていたのでしょうか、どういった方を愛したのでしょう。何かをして人に感謝されたことがあったでしょうか。」
これを聞くことが悼みを行なうのに必要だと「悼む人」は言っています。

事件事故で亡くなった人たちを悼むために旅するという設定で、その動機といえば新聞雑誌で報道される記事が、どちらかというと加害者寄りの情報が多い事や、被害者についてもこんな人物だったから殺されても当然と言うような死者のランク付けを行なうことへの疑問からなのか。
闇雲に個々の事象を追いかけると感情が揺り動かされ自分も死に囚われてしまう、そこで客観的に悼むために最初の三つの質問が重要になるということらしい。

テーマが深くてさらりとした感想は無理そうです。
本自体は読みやすくスイスイ読めました、読後感はモヤモヤです。


タグ:天童荒太
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町長選挙 奥田英朗 [本]

伊良部シリーズの第3弾、誰だか分かる有名人がモデル。
著者は人の内面を書くのが上手いですな、なんでそんなことが分かるのよ、書かれていることが思わずさもありなんと思えてしまう。
有名人や権力者と言われている人達は肩肘張って生きていて大変そうです、特に無理してそうしている人は。
一読、肩の力が抜けて良いです、さすが主人公が精神科医だけある。
何事にも余裕を持ちたいと思いました。


タグ:奥田英朗
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借金取りの王子 垣根涼介 [本]

表題作の「借金取りの王子」がいい。
ありがちな話なのだけれども、思わずジーンと来てしまった。
お金は大事だよとはよく言われますが、なるほどこういう方法もあるのね。

数年前は各社の無人貸付機ずらりと並んだ一画があったり、TVではCMがじゃんじゃん流れていた消費者金融の内幕をメインとした話で、多分現実にこんなことが行われているんだと思える話です。
高年収と引換に苛烈なノルマ達成を強いられる、ストレス漬けの日々ってどんな気分なのでしょう。



タグ:垣根涼介
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君たちに明日はない 垣根涼介 [本]

自主退職に追い込む為の専門会社が実際あるのかは知らないが、出てくる話はなかなかリアリティーがあって面白い。
仕事ってなんだろう、仕事が出来る出来ないって、それを判断する会社って、いろんな思いが湧きでてくる。
熱中できる仕事に巡り会える確率ってどのくらいなのだろう。


タグ:垣根涼介
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嘘つきアーニャの真っ赤な真実 米原万里 [本]

1960年代に著書がプラハ・ソビエト学校で学んだ思い出と、その後30年以上経ってから当時の親友に会いに行くという紀行文。
世界が西東とはっきり分かれていた時代、共産圏での学校生活はどんなものかと思い読んでいると、意外や意外ずいぶんと楽しそうな感じじゃないですか。
詰め込み教育と批判され続けている日本とはかなり違う雰囲気を感じます。
確か著者はソ連の歴史の教科書はものすごく面白いというような事をどこかで書いていたような。

国や宗教、民族等の違いから仲の良かった者同士がいつの間にか敵対しあって戦争に至る過程がこの本にも書かれています。もう少し人々が寛容になってせめて殺し合いまでに行かなくすることはできないもんなのでしょうか。


タグ:米原万里
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誓い ハッサン・バイエフ 天野隆司 [本]

チェチェンという国名に馴染みのある方はほとんどいないと思いますが、ここでは国際社会がほとんど目を向けなかった戦争がロシアとの間でありました。
さほど昔ではない1994年からの第一次チェチェン紛争と1999年からの第二次チェチェン紛争。
現在首都グロズヌイでは復興著しく高層ビルも建てられて一見華やかさが戻ってきているように見えます。
ただこの戦争で人口が半分になってしまっていますから、真に望む復興はこないのではないかと思います。
なぜ人口が半減してしまったかは本書を読めばよくわかります。


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グランドミステリー(上)(下) 奥泉光 [本]

上下巻合わせて900ページ近い大作なのですが、久しぶりに上巻の頭でやめておけばよかったと後悔の一冊になりました。
とにかく読んでいてワクワク・ドキドキ感が湧いてこない、これだけの大作なんだからどこかしら引き込まれる部分があるはず、と二ヶ月以上だらだらと読み続けたけど僕にとっての金脈はこの本には無かった。
なんとなく面白そうな雰囲気を醸し出しているのでそれに捕らわれたかな。
で、結局どんな話だったんだろう?




タグ:奥泉光
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名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 中野京子 [本]

ハプスブルク家650年の歴史をサックっと1冊の新書で読めます。

いやいや、大変な思いをして一族の繁栄を維持し続けていたのですね。
手に入れた物は意地でも手放さない執念が650年という時の長さに現れています。


タグ:中野京子
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ルポ 戦場出稼ぎ労働者 安田純平 [本]

イラク戦争後、フセイン政権が倒れたあとの基地で食事業務を日本から身分を詐称して潜り込み、戦場労働者として働きそこで見た物、感じたこと、考えたことなる本です。

戦後、混沌としてしまったイラクの現状の理由の一端がわかるよな気がします。
現代戦争が任務の一部を民間に請け負わせている事実も興味深い。
戦争なんかして一体誰が儲けているのやら。

もう一つ、戦をするにもまずは食うことから始まるわけで、思えば人間食うために生きてるってもんですな。


タグ:安田純平
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